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ホログラフィートーク

トラウマ焦点化心理治療の一つであるホログラフィートークは、開発者の嶺先生によりますと『クライエント本人が感情や身体症状の意味を読み取り、解決し、自らを癒すプロセスをセラピストが援助する心理療法です。手法的には、軽催眠下のトランスワーク(*1)や、自我状態療法(*2)の一種』とされています。

 

 ここでは、普段わたしがどのようにクライエントにこの治療技法について説明しているかを中心に解説したいと思います。

【注意事項】ホログラフィートークをクライエントに使う際は、必ずベーシックワークショップを受講して、技法のポイントや、実践上の注意等を学んでから行ってください。ここで書いてあることは、プロトコールの骨組みの部分であり、実践にあたっては、いくつか注意しなければならないポイントがあります。定期的にベーシックワークショップがありますので、まずはそちらにご参加を。

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*1 軽催眠下のトランスワーク:臨床催眠とは『クライエントの暗示効果』を高めて、身体感覚や、こころの中に浮かぶイメージの世界に​没入してもらい、通常の感覚とは違ったトランス状態の体験(こころの中でイメージしたことが本当に起きているような感覚と感じられる)へと誘導して治療効果を高めていく一連の技法です。

 様々な心理治療と組み合わせることで、その心理治療の効果を高められます。

 

 ここで『軽催眠』としているのはクライエントもセラピスト自身も催眠の技法を使っていることを意識せずにイメージワークの延長のようにセッションを行っていけるからです。

 セッション中、クライエントの意思で中断したり、質問をしてもらったり、休憩を入れながらでも、セッションは続けられます。

 催眠という言葉に対して、もし何らかの不安感や不信感があるようでしたら、『その他のトラウマ心理治療』>『臨床催眠』についての解説もご一読ください。(現在製作中です)

*2 自我状態療法: 米国の心理学者ジョン・ワトキンス博士と妻のヘレン・ワトキンス博士によって開発された心理治療です。

 わたしたちのこころの中には、自分のことを責める自分もいれば、励ます自分も、また不安にとらわれている自分もいれば、勇気をもってチャレンジしていこうとする自分もいます。

 自分の心の中にある様々な自分が、それぞれの目的に合わせて協力しながら目的に向かって人生を歩めているのが本来の状態です。

 心のバランスを崩していくと、こころの中にある自分自身(このことを自我状態とよんでいます)が敵対関係となったり、暴走したり、また隠れる等して、機能不全に陥っていきます。

 こころの不調の原因は、こころの中にある自我状態が上手く機能しなくなっていることだとして、それぞれの自我状態とセラピストがワークをしていくことで本来の機能的な状態に回復させていく治療法です。

 

 それぞれの自我状態のことをパーツとよぶこともあるため、パーツ・ワークと自我状態療法のセッションを呼ぶこともあります。

 ホログラフィートークはバーツ・ワークではありませんが、症状と関連した過去の自分自身に、現在のクライエントが援助者として登場し、過去の自分に寄り添いながらセッションをすすめていきますので、自我状態療法の形を借りてもいます。

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ホログラフィートークとは?

【原因は過去にある】

 まず心理治療の前提として、クライエントが今困っている症状の原因が、今起きていることではなく、過去にクライエントが体験し、未解決となっている出来事にあるということから治療を組み立てていきます。

 

  あたりの強い上司に反論できず、注意されるまま一所懸命仕事をこなすも上手くいかず、だんだんと自信をうしない自分はダメだなと思うようになっていく。

 なんとなく人と話すのが苦手で、いつも雑談の時間になると気まずく感じてしまう。

 昔から大きな音が苦手で、雷がとてもこわくて夏場はいつも天気予報みては外出していいかどうか悩む。

 

 こういった症状の原因は、その職場の上司や、その同僚たちの雰囲気、または雷そのものの怖さだけではないかもしれません。もちろん、アツをかける上司がいなくなったり、とっても話しやすい趣味の合う同僚に囲まれていたり、また怖いものを避け続けることができれば、それで症状は楽にはなりますし、薬物療法も基本的には、その不安や嫌な感覚を一時的には楽にしてくれると思います。

 

 しかし、またその上司が来たら、仲良い同僚が退職したら、急に夕立にあったら…。

 

  ホログラフィートークでは、クライエントの抱えた様々な症状や問題は、その始まりが過去にあるのではと考え、その原因にさかのぼっていくことをします。

ホログラフ-トークの四つの構造

ホログラフィートークの特徴

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